中学校見学「いい学校」2つの条件


みなさん、こんにちは。勉強は、はかどっていますか? 今の時期は、6年生にとっても、5年生にとっても、やや余裕のある時期ですね。

 塾の先生にとって、4~6月は思いのほか忙しい時期です。みなさんは、「入試も終わって、春期講習も終わったのに?」と思われるかもしれませんね。実は、この春から夏にかけては、みなさんの目指す中学校が塾の先生向けにも説明会を開催してくれる時期なのです。



複数の学校を見学…「面白いこと」を探そう

 

みなさんが中学校に行く機会は、学園祭や運動会(体育祭)の見学、オープンスクールなどですね。ご両親や塾の先生は、説明会や校内見学会にも出かけますね。

 機会があれば、ぜひ実際に中学校の様子を見に行ってみましょう。できれば、複数の学校を見るとよいでしょう。

 自分より年上の人たちがいる場所に行くわけですが、こわくはないんですよ。また、べつに身構えて行く必要もありません。ただ、「なにか面白いことはないかな?」と積極的に探す気持ちが持てるといいですね。複数の学校を見てほしいのは、比べることで自分が面白いと思うことがはっきりしてくるからです。

 先輩たちの中には、「学園祭で出会ったお兄さんやお姉さんみたいになりたい」という気持ちがもとになって、その学校への憧れを持てた人たちがたくさんいました。自分のやりたいクラブ活動がある学校を見つけて、気に入った人も多くいます。さらに、受験直前期にはホームページやパンフレットに書かれた校長先生の文章までも読みこんで、教育方針もふくめてその学校が大好きになった人もいました。学園祭で見た理科室の昆虫標本の見事さに「雷に打たれたみたいだった!」と心を動かされた人もいましたし、「鉄道研究会なら、ここしかない!!」という決め方をした人もいます。




校舎、制服…「これからの生徒たち」への思い

 

「校舎が気に入った」「制服がかわいい」というのでも、いいんです。

 校舎の配置や新施設の建設は、その学校の先生たちが生徒たちのこれからの学校生活のありかたを一生懸命考えた結果としてあります。制服にしても、伝統を大切にするか、現代のセンスにマッチさせるかを先生たちが真剣に考えた結論が反映されています。

 先日、東京都国立市にある桐朋中学校を訪れた時のこと。この学校は今年の6月に新校舎がすべて完成するのですが、2013年に完成している教科棟には語学専用のコンピューター教室(CALL教室)があります。英語の授業では、中1から高2までの各学年で「話す実技テスト」という英会話のテストを実施しているそうです。このCALL教室では生徒が一斉に発音したものをパソコンに録音して、先生が後で別々に聞くことで採点ができます。だから、一対一で会話テストをするより、早く、たくさん実施ができるわけですね。英語の会話力を高める新しい取り組みの一つと言えそうです。こういった施設にも、先生たちの「これからのみなさん」を大切にする思いが反映されています。

 いずれにしても、特に6年生にとっては、憧れを持つことや面白そうだと思うこと、「こうなりたい自分を見つけること」が、これからやってくる夏休み中の勉強や秋からの追い込みの勉強に立ち向かっていく原動力になります。また、今の自分を変えていく活力にもなります。




どんな学校が合う?…「何がしたいか」で志望校を考える

 

ところで、みなさんのお父さんやお母さんは、受験相談の際、塾の先生に「うちの子にはどんな学校が合っていますか?」とか、「先生がいい学校だと思うのはどこですか?」といった質問をされることがあると思います。

 みなさんにどんな学校が合うのかは、みなさんの個性と「どういう中学・高校生活を送りたいか」によって、さまざまに異なります。それに対して、「成績がこれくらいだから、A中学などはどうでしょう」という答えって、おかしいですよね。私たちの塾では「この子の性格とこれからやりたいことを考えると、A中学やB中学などの学校が考えられますね。今の成績だとA中学はチャレンジになるので、これから進めていく勉強としては……」という話になっていくのが普通です。成績で志望校を決めるのではなく、「何がしたいか」で目指す志望校を考える。その目標を達成するための勉強の話になるわけです。

 では、2つめの質問「先生がいい学校だと思うのはどこですか?」については、どう答えると思いますか? 

 ここからは、私の個人的な考えです。




生徒の話を生き生きと語る先生、生徒のことをよく知る校長先生

 

私が「この学校はいい学校だ」と思う条件は2つあります。

 

1つは、先生が生徒の話を生き生きと語っていることです。「うちの学校には、こんな生徒がいましてね」と授業やクラブ活動での様子を、目を輝かせて楽しげに語る先生。生徒の長所も短所もつかんだうえで、可愛(かわい)くて仕方がない、生徒の話をするのが楽しくて仕方がないというそんな様子は、お芝居ではできません。私たちは、みなさんのような小さい人(失礼!)、中高生のような若い人とずっと接していますから、その先生が本気で生徒のことを考えているかどうかは、その先生の発する「空気」で理解できます(もちろん、みなさんのお父さんやお母さんも、その「空気」を理解できますよ。親ですからね)。学校は、先生と生徒という「人の集まり」ですから、まずそこが重要なわけです。

 

2つめは、校長先生が生徒のことを知っていることです。

 ずいぶん昔のことですが、大学4年の初夏に高校で教育実習をしました。たった2週間の実習ですが、濃密な時間だったことを今でも覚えています。実習が終わり、校長先生が実習生たちを食事に連れて行ってくれました。「尾方くん、我が校の授業はどうだった?」という校長先生の問いに、「僕の準備不足だったんですが、現代文の授業で2年生のAくんにはずいぶん突っ込まれちゃいました。それから、古典の授業では1年のBさんにうまく発言させることができなくて」となにげなく生徒名をあげました。すると、「はっはっはっ、Bさんは内気だからねえ。でも、テニス部では豪快な活躍をするんだよ、彼女は。それから、Aくんの突っ込みは愛情表現だな。君と会話したい、いや、勝負したいんだよな。英語科のC先生はいつもあいつと戦っているぞ」とビールでやや上気しながらも、楽しそうに生徒の話を始められました。他の実習生の「Dくんはどんな子なんですか?」という問いにも楽しげに答えられていて、生徒のことをよくご存知になっている。それまでの「校長先生は学校の顔みたいなもので、生徒からは遠いところにいる」という思い込みが一気に吹き飛びました。

 

そんなわけで、「あの校長先生みたいな人に会えるといいな」と思いながら、学校を訪問しています。すると、結構いらっしゃるんですね。同じような人や、もっとすごい人も。

 

入学式の前に写真を見て新入生の顔を覚えて、入学式には全員に名前を呼びながら声をかける校長先生。教頭先生から校長先生になったので、生徒のことを理解しているのは当然だと考えている校長先生。登校できなくなった生徒のことが心配なあまり、人前で「不覚にも」涙を見せてしまった校長先生。



校長先生は学校の顔…「憧れの学校」を見つけよう

 やはり、校長先生は学校の顔だと思います。そんなリーダーに引っ張られている、または、リーダーを担いでいる現場の先生たちは影響を受けているわけですし、当然そんな「空気」は生徒の間にも伝わるはずです。塾を「卒業」し、そういった中学・高校に進学した後、遊びに来てくれる先輩たちも、じつに生き生きとしていますから。

 みなさんも、そんな人たちと交流して「なりたい自分」になることができる「憧れの学校」を見つけて、勉強にのぞめるといいですね。


2015.6  読売新聞


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