受験後の答案見直しで学力アップ…森上展安

 

2015年1月20日 読売新聞

 

東京都と神奈川県の私立中学入試が、いよいよ2月1日からスタートします。ですが、今年は1日が日曜日のため、女子校では難関のプロテスタント校が1日から2日に移行して入試をします。

 これは、日曜礼拝と受験が重なるのを避けているためです。

 普段の年なら難関校の受験は2月1日になりがちですが、今年は翌日に移動した難関校を受ける前に、1日には少し易しい「準」難関校を受験することができます。

 図式的に言えば「易から難へ」と受験校の難度を上げながら受験できるのです。例年なら、1日にいきなり難関校受験をして、2日に安全校という選択になりがちなのですが、今年に限っては、女子については理想的な受験がしやすいのです。

 

 

テストを受けるだけでは、効果は半分…次に備えよう

 

 これは、実は受験生にとって、とてもチャンスです。というのも、テストはそれを受けることで実力が測れるものとのみ思いがちですが、それではテストの半分の機能を使っただけです。残りの半分の機能は、そのテストの見直しをすることによって学力が定着する、つまり学力が上昇するのです。むしろ後者の方がテストの機能といってよいくらいです。

 テストの見直しをすることで、テストの度に学力を上げることができます。入試でこれを利用しない手はありませんね。1回目より2回目、2回目より3回目こそが、高得点をとれるようになります。

 

 

解ける問題で失点していないか

 

 そのためには、必ず入試が終わった後に、なるべく早く試験答案の見直しをすることをおすすめします。

 この時、気をつけたいのは「本来解ける問題で失点していないか」ということです。難問を解くことで合格する受験生は決して多くなく、むしろ正答すべきところをしっかり正答することで合格するものだからです。受験生本人の実力をよく知る塾の先生やご両親と一緒に答案の見直しをすると、そこが押さえられます。

 このようなことを言うと、同じ学校を3回受験する人が有利にも思えるものですが、筆者のおすすめはあくまで「易から難へ」の流れで受験することです。同じ難度の入試を何度も受けることはリスクがそれだけ大きいので、あまりおすすめしません。同じ学校を数度受けるケースでは、「実力相応であれば」という留保つきになります。

 少しずつ難しい学校に挑戦していく、そして必ず見直しをする。そういう受験になるよう併願を組む。そして最初に受けるところは合格できる見通しのある学校で、かつ入学したいと思えるところ。2番目に受けるところは、入学したいと思えるけれど、自己ベストでうまく答案が書ければ合格できるくらいの高めの「目標校」にします。3番目に受けるところは、合格するためには自己ベストより上の答案を書けなければならない「挑戦校」。この1番目と2番目は前後する場合がありがちですが、その際はもう一つ手前の1月中に、安全校を受けて下さい。

 

 

振り返っておけば、平常心で結果を受け止められる

 

 さて、入試はいずれ結果が出ます。早いところであればその日のうちにインターネット配信してくれるところもあります。

 その時までに、ここまで言ってきたような見直しをしておくと、どのような結果が出たとしても、実際より過大にも過小にも受け止めることなく、平常の気持ちで受け入れることができます。

 そうすると、これまで言ってきたように次の入試に役立つだけでなく、中学での学力上昇につながっていきます。もちろん、合否で喜び悲しむことは自然な対応です。しかし一時の興奮のあとでは継続的な学習こそが大切だということに考え及ぶでしょう。そしてそれは、長い目でみれば不合格はもちろん、むしろ「合格」以上に学習に喜びを与えてくれるはずです。

 

 

塾の先生、友達、家庭での出来事…受験勉強の思い出を書き留めてみよう

 

 その意味では一連の入試が終わったら、結果とは切り離して、試してほしいことがあります。

 受験勉強の過程で、塾の先生や塾の友達、ご家庭での様々な思い出があるはずですね。振り返ってみて、折々でどのように人と交流して、考えが深まり、勉強が面白くなっていったか、少しずつ書いてみることをおすすめします。以前より考えを深めていくことができるようになった、と思えることが大切です。それはこれからも同じです。

 ただ、これからは一人で考えることと、様々に意見を交換して考えることの、特に後者に習熟しましょう。



中学受験 偏差値
中学受験 偏差値
サピックス、四谷大塚、日能研、早稲アカ
帰国子女
家事代行なび
家事代行なび

資料請求は無料です。いざという時に持っておくと便利です

押してください。

情報収集にどうぞ

  ↓

にほんブログ村 受験ブログ 中高一貫校受験へ

 

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ

 

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(指導・勉強法)へ


トップページで

おすすめ書籍を掲載しています。

参考にしてください。こちら