中学受験塾で成績が向上しないときに採る道

 

東洋経済オンライン 2016.1.2   

中学受験塾で成績が向上しないときに採る道

 

 

 

子供と親と塾。中学受験においてこのトライアングルは1つの有機的システムといえる。子供の性格はもちろん、中学受験に対する親のスタンス、そして塾の指導スタイルによってお互いの距離感やバランスの取り方が変わる。


 中学受験に挑む家庭はたくさんあっても、1つとして同じトライアングルは存在しない。ベストバランスが見つかれば、塾の機能も親の機能も最大限に発揮され、子供の実力が最大限に引き出せる。

 ただしそのベストバランスを見つけるまでには意外と時間がかかるもの。状況に応じて、ときどき調整も必要。よく、「4年生は正しい学習習慣を身に付ける時期」と言われる。もっと正確に言えば、「4年生は試行錯誤をくり返し、正しいトライアングルをつくる時期」なのだ。

できるだけ早く、正しいトライアングルをつくるためには、塾に子供のことを理解してもらうだけではなく、親が塾のことを理解する必要もある。塾が設計する学習サイクル「スモールステップ」に込められた意図を正しく理解することはとても重要だ。

 

■ カリキュラムの速い塾への転塾は危険

 5年生になっても、子供が努力しているにもかかわらず成績が上がらないのだとしたら、トライアングルがうまく結べていない可能性が高い。どうしてもトライアングルが安定しないとき、大きく分けて2つの選択肢が考えられる。1つは転塾。もう1つはプロの助けを借りること。

単に成績が上がらないから別の塾へと移るのはNGだ。さまよい続けることになる可能性がある。「スモールステップ」があっていなかったのか、レベルが高すぎたのか、講師とのコミュニケーションが成立しなかったのか、今の塾では何がうまくいっていないのか、うまくいっていない原因を分析し、そこに対する適切な対処を与えてくれそうな塾に転塾すべきだ。中小塾への転塾が解決策になる場合があることは、12月25日配信の「『残念な中学受験塾』を見抜く7つのポイント」で述べたとおりだ。 

大手塾から大手塾へ転塾する場合には、カリキュラムの進度に要注意。進度の遅い塾から進度の速い塾への転塾は危険。同じカリキュラムかそれよりも遅めのカリキュラムを採用している塾へと乗り換えるのがセオリーだ。ただし、今いる塾では物足りなくなり、さらに高いレベルの塾に移りたいというのであれば話は別である。

 

 もう一つ、プロの助けを借りるという選択肢もある。プロとは、家庭教師と個別指導塾だ。

 いずれも、単にわからないところを教えてもらうためだけに利用するのではあまり意味がない。本来であれば塾の先生に質問すればいいだけの話であるからだ。

 家庭教師や個別指導塾を利用する価値は、まさにトライアングルの調整にある。

 本当にプロと呼べる家庭教師や個別指導塾講師なら、大手各塾の学習システムを熟知しており、塾の意図を保護者に噛み砕いて教えてくれて、毎日の家庭学習の具体的なやり方を指示してくれる。

 塾の指導法とわが子に適した学習スタイルとの間にズレがあれば、それを調整する具体的な方法を提案してくれたりする。子供、親、塾のトライアングルの間に入って、学習サイクルがスムーズに回るように調整してくれるのだ。

 子供にとっての先生である以前に、親にとってのアドバイザー、トレーナーであるということ。

 転塾は、トライアングルそのものを一からつくり直す大作業。リスクも大きい。それに比べれば、プロの手を借りて、既存のトライアングルに微調整を加えるほうが、余計なエネルギーを使わなくていいと考えられる。



■ 子供のことを思えば思うほど間違ってしまうのが親

 塾と保護者の間のバランスばかり強調てきたが、根本的に親子間のバランスが良好でなければトライアングルが安定しないことは言うまでもない。

 中学受験に潜む魔物は、親を追いつめることがある。追いつめられた親は、子供を追いつめる。親が不安から逃れたいがために、子供に消化しきれないほどの勉強をさせてしまうことがある。罵倒する言葉が止まらなくなってしまうことがある。

 親は、子供のことを思えば思うほど、間違った方法で子供を守ろうとしてしまう生き物。だからこそ、塾という存在がある。集団塾だけではダメならば、個別指導塾や家庭教師の助けを得ることもできる。

複数の大人が見守ってくれているからこそ、子供は自らの将来を切り拓くための厳しい勉強にも耐えることができるのだ。子供の成長を見守るパートナーとしての塾を見つける方法は拙著『親が後悔しない、子供に失敗させない 中学受験塾の選び方』に著した。

 

 

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