最難関校に強い塾がベストとは限らない

 

■中学受験合格実績は大手塾による寡占状態

 中学入試合格実績においては、圧倒的に大手塾の寡占状態といえる。推計によれば、首都圏に約340ある私立・国立・公立中高一貫校の総合格者数のうち、大手上位6塾からの総合格者数が約9割に上る。関西圏でも大手上位9塾からの総合格者数が、中学受験総合格者数の大半を占める。

 この状況からすれば、大手塾という選択は、いたって無難な選択だ。見知らぬ街で空腹を感じたとき、見覚えのある看板が掲げられた大手チェーン系のファミレスに入るようなもの。品質管理はしっかりしているし、メニューの幅も広く、社員教育も一定以上。大ハズレが少ない選択といえる。

 首都圏の中学受験合格者総数上位6塾は、それぞれ例年の合格者数が5000人を超える。逆にこれ以下の塾となると、1塾当たりの合格者数は2000人にも満たない規模になり、大手上位6塾とその他の塾との間に大きな断層がある。

 同様に関西圏上位9塾は、それぞれ例年の合格者数がおおむね1000人以上。首都圏ほどはっきりした断層はないが、それでも10位以下の塾の合格者数との間には数百人のギャップがある。

 大手塾が実績を出し、その実績に引き寄せられるようにさらに多くの受験生が集まる循環ができていると考えられる。

 よほどのこだわりがあったり、選択眼に自信があったりしない限り、何かを選ぶとき、とりあえず人気商品の中から選ぶという方法は、正しい。「みんなも選んでいるのだから、まあ大丈夫でしょう」という安心感が得られることが、大手塾という選択の最大のメリットだ。

 

 

■最難関校ではサピックスのひとり勝ち

 問題は「人気商品の中からさらにどれを選ぶか」である。私は最近『親が後悔しない、子供に失敗させない 中学受験塾の選び方』を著し、中学受験塾を短期目標設定の仕方、すなわち「スモールステップ」で選ぶという観点を提案している。しかしその大前提として、やはり塾を選ぶ基準として合格実績のチェックは不可欠だ。

 塾の合格実績というと、御三家をはじめとする最難関校の合格者数ばかりが注目されるが、そのような学校への合格者数が多い塾が万人にとって良い塾とも限らない。塾にも得意分野があるからだ。開成や灘、桜蔭などの最難関校に強い塾もあれば、いわゆる中堅校に強い塾もある。

 『塾ランキング』などの著書がある中学受験カウンセラーの石田達人さんが、各塾の合格実績を一つひとつ地道に調べて作成した貴重なデータを、『親が後悔しない、子供に失敗させない 中学受験塾の選び方』には掲載している。

 中学入試を行っている学校を、最難関校(偏差値65以上)、難関校(偏差値60~64)、上位校(偏差値56~59)、中堅校(偏差値51~55)、中位校(偏差値46~50)、一般校(偏差値40~45)、下位校(偏差値39以下)に分類し、各塾がどこの偏差値帯の学校に強いのかが一目瞭然でわかる。データそのものはここでは転載できないが、概要を説明すると次のようになる。

 首都圏ではサピックスが最難関校および難関校に圧倒的な強さ。続いてその層に強いのが早稲田アカデミー。日能研と四谷大塚が、栄光ゼミナールと市進学院が、それぞれ似たような比率構成だ。

 

 

■関西では浜学園が圧倒的強さ

 関西圏については首都圏に比べて学校数が少なく、灘を頂点とする偏差値順の学校ヒエラルキーがはっきりしているのが特徴だ。ゆえに、灘の合格者数が塾の指導力の象徴とされている面が多分にある。

 石田さんのデータによれば、灘の2015年入試の実績では、浜学園93人、日能研49人、希学園32人、馬渕教室27人が上位の顔ぶれ。その中で、上位校以上の合格率が特に高いのが、浜学園と希学園だ。

 浜学園は、関西圏の中学受験を牽引する存在。希学園は、9塾の中では生徒の人数的規模が最も小さい部類に入る。それだけ少数精鋭で、難関校に特化した指導を行っているということ。その分、希学園の費用は他塾から群を抜いて高いといわれている。日能研、馬渕教室、能開センターの3塾は、似たような比率構成。

 合格者総数では浜学園と日能研がツートップ。馬渕教室と能開センターがそれを追っている。

 しかし前述の通り、合格実績、得意とする偏差値帯だけではその塾がわが子に合っているのかどうかを判断することはできない。そこでさらに各塾がどのような仕組みで子供たちの学力を伸ばそうとしているのか、その意図の違いを理解することが大事になる。

 その意図を私は前述したように「スモールステップ」と呼んでいる。次回はこの「スモールステップ」という中学受験塾選びの新しい観点について説明する。

 

 

プレジデントから引用   2015.12.27

 

中学受験 偏差値
中学受験 偏差値
サピックス、四谷大塚、日能研、早稲アカ
帰国子女
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