「残念な中学受験塾」を見抜く7つのポイント

 

12月から2月にかけては中学受験塾選びのピークである。2月からの本格入塾に先駆けて、冬期講習でお試ししてみるという家庭も多いだろう。


 現在、中学受験の合格者実績はごく一部の大手塾による寡占状態にあり、首都圏の場合、大手6塾で全合格者数の9割以上を占める。その意味で「とりあえず大手塾」というのは無難で合理的な選択といえる。

■ 中小塾は玉石混淆。ハズレも多い

 一方、大手塾の画一的な中学受験勉強に疑問を感じるのであれば、あえて中小塾で中学受験に臨むというこだわりの選択も検討に値する。

 大手塾では与えられたものをただこなしていくだけになってしまう子や、逆にものすごく頭が良くて、大手塾での指導に「ここまでやる必要があるのだろうか」と本質的な疑問を感じられる子供であれば、中小塾がおすすめだ。

 しかし、中小塾は玉石混淆。ハズレも多い。

 大手塾には大手チェーン系のファミリーレストランのような安心感がある。一方で、中小塾というのは個人経営の飲食店みたいなもの。ファミレスでは絶対に食べられないような絶品に出会える可能性がある一方で、まったく舌にあわない料理が出てくる可能性もある。

拙著『親が後悔しない、子供に失敗させない 中学受験塾の選び方』では、大手塾の指導方法の違いや、中小塾の指導方針を具体的に確かめるための9つの質問などを紹介している。今回は、「ダメな中小塾」を見抜くための7つのポイントを説明しよう。

 

 

 1 カリキュラムが塾長の頭の中だけにある

 四谷大塚の「予習シリーズ」や栄光ゼミナール系の「中学受験新演習」などのシステム教材を使用するのでない限り、中小塾でカリキュラムを自己作成するのは至難の業。つまり「オリジナルカリキュラム」を謳う塾はまゆつばだ。それでももし「オリジナルのカリキュラム」を謳うのなら、カリキュラムは事前に明示されているべき。「カリキュラムは塾長の頭の中にある」というのは傲慢さの表れであり、最初から生徒や保護者に対して不誠実と言わざるをえない。

 2 直近の合格実績だけがいい

 直近の合格実績が非常に良かったからといって、それをそのまま塾の実力と見なすことは危険。たまたま大手塾の上位クラスから6年生になって転塾してきた優秀な生徒が1人いて、その生徒が1人で最難関校をはじめとする5~6の有名校の合格実績を稼いでいる場合がある。1学年十数人という小規模塾であれば、過去数年分の合格実績を加算して、同規模の塾と比較してみるといい。

 3 親と適切なコミュニケーションがとれない

 中学受験において子供と親と塾は三位一体。「子供と親」および「子供と塾」の関係はもちろん、「親と塾」の関係がしっかり結べていないと、三位一体にはらない。子供の「?」に答えるだけでなく、親の「?」にも的確に答えることができてこそ、本当の塾といえる。大人同士のコミュニケーションで「?」に答えることができない塾講師が、子供の「?」に的確に答えられるわけがない。

 4 新しすぎる塾は避けたほうが無難

 1回や2回授業を見学したとしても、講師の実力を見極めることは一般の人にはまず無理。代わりに創業からの年数が講師の力量の目安になる。創業からある程度の年数が経っていても安定して合格実績を出しているなら、それが塾長の腕前の客観的証拠といえる。新しい塾がダメというわけではないが、時間の洗練を受けてなお生き残っている塾は、確率論的には、いい塾である可能性が高い。「ある程度の年数」としては、少なくとも5年、できれば10年単位でとらえたい。

 

 

 5 「職人気取り」はダメ

 大手塾の名物講師にありがちな職人気質は、中小塾においては両刃の剣となる。一般に、中学受験講師には職人的なこだわりが必要だが、臨機応変さや柔軟さが、大手塾に対する中小塾の魅力であるはずだからだ。寿司職人にしても大工にしても、いい職人は、しっかりとした技とこだわりを持ちながら、状況に合わせた臨機応変なシゴトができるもの。それが本当の職人気質。自分のやり方にこだわり柔軟性に欠けるのでは、本当の職人とはいえない。「職人気質」はいいけれど、「職人気取り」はダメということだ。

 6 拡大路線を打ち出しすぎはダメ

 営利企業としての側面を優先するのであれば、拡大路線は当然の戦略。しかし教育機関としては、拡大すればするほど、教育の質を担保しにくくなるという矛盾が生じる。中小塾であってもやたらに拡大路線を狙う塾は要注意だ。「あの塾、定員が一杯になったから、近くにもう1つ校舎をオープンするらしいよ」という評判は、企業としては良い評判だが、教育機関としては必ずしもいいこととは限らない。そのような塾を選ぶことは、まるで「小さな大手塾」を選ぶようなもの。だったら普通に大手塾に通えばいいだけの話である。

 7 塾長が人間として幼い

 塾長とどれだけ意思疎通ができるか、塾長をどれだけ信頼できるか、この塾長はわが子にとって手本になる人物か、この塾長にまかせてダメならしょうがないとまで思えるか。極論すれば、そこを見極めるのが、中小塾を選ぶ際の親の責任だといえる。できたばかりの中小塾に子供を通わせていたものの、その指導や保護者対応姿勢に疑問を持ち、転塾すべきか否か悩んでいたある保護者は、その塾長が家庭訪問に来たときに玄関で靴をそろえていなかったことに気づき、転塾を決意したという。正しい判断だと思う。

 塾を選ぶということは、その学習サイクルを子供の生活サイクルとして取り入れるということ。しっかり自分の軸を持ち、「塾ありき」ではなく「わが子ありき」の中学受験塾選びをしてほしい。

 

 

おおた としまさ

 

 

 

東洋経済オンラインから引用   2015.12.25

 

 

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