「勉強をしているのに成績が伸びない」小学生…原因と対処法はコレ

 

ラーニングパーク から引用 

2015.10.3

 

 勉強しているのになかなか成績が伸びない状態が続くのは、本人にとって非常につらいものです。保護者のかたも、がんばっている姿を見ているだけに、どう声をかければよいのかわからずに悩んでしまいがちです。子どもの全力を引き出す教育実践が各方面から注目されており、『自分からどんどん勉強する子になる方法』などの著書もある清瀬市立清瀬第八小学校教諭の杉渕鐵良先生が、勉強が学力に結びつかないお子さまによく見られる原因と対処法について解説します。



勉強が学力に結びつかない状態は、明確な原因があるケースが多い

 勉強している、あるいは勉強しているように見えるのに、なかなか成績が伸びないケースは少なくありません。そうした状態には明確な原因があることが多いのですが、それを自覚できないと対策もできないため、「自分は勉強ができない」と思い込んで自信を失ってしまう場合があります。そうなると、大人になるまで尾を引いてしまうこともありますから、できるだけ早いうちに原因を特定して対策を考えることが大切です。




【成績が伸びない原因1】勉強の目的を取り違えている

 勉強の目的は、「わからないことをわかるようにすること」です。大人からすると当然のことですが、本来の勉強の目的からずれてしまっている子どもは少なくありません。

たとえば、漢字の反復練習の目的は漢字を覚えることです。ところが、「覚えること」ではなく、「書くこと」が目的になってしまう場合があります。極端なケースでは、早く終わらせるために、先に「へん」だけをズラリと書いてから「つくり」を書き足していく子どももいます。当然ながら、そのやり方ではなかなか漢字を覚えられません。

ですから、目的意識を明確にもたせることは、お子さまの成績を伸ばすための第一歩です。目的は、「次のテストで○点を取る」「漢字の部首をすべて覚える」など、何でもかまいません。小学校の勉強から離れて検定などにチャレンジするのもいいでしょう。

以前に勤務していた小学校に全くといってよいほど勉強せず、保護者を悩ませていたお子さまがいました。そのお子さまに漢字検定をすすめると、人が変わったように勉強を始め、どんどん級を上げて、中学生のうちに高校生程度の準2級まで合格して周囲を驚かせました。成績が上がったのは国語だけではありません。漢字の学習を通して、勉強方法や集中のしかたを身につけたほか、教師や保護者にほめられることに喜びを感じて他の教科の成績もグングンと伸びていったのです。

勉強へのきっかけづくりの目的として、言い方は悪いかもしれませんが、「ごほうび」が有効なケースも結構あります。「次のテストで○点を取ったら△△を買ってあげる」といった方法です。このやり方は賛否両論があり、たしかにエスカレートすると際限がなくなってしまいます。しかし、それが本気で勉強を始める目的となり、しだいにわかることや成績が伸びること、またほめられることの喜びを実感して、内発的な意欲が呼び起こされることも少なくありません。こうした方法があることも念頭に置いて、まずお子さまの勉強の目的がどの方向を向いているかをしっかりと見定めてください。


【成績が伸びない原因2】勉強のしかたを間違えている

 非常に丁寧にノートを書いているにもかかわらず、頭の中にはほとんど残らないという子どもがいます。確かに、蛍光ペンなどを使ってノートを整理するのが好きな小学生は多いのですが、それが度を超すと、勉強の妨げになってしまいます。ところが、本人はきれいにまとめられたノートを見て勉強した気持ちになっているのです。

これは、ノートをきれいにまとめることが勉強だと勘違いしてしまっているケースです。こうした誤った勉強法を続けても成績は伸びません。くり返しになりますが、勉強の目的は「わからないことを、わかるようにすること」です。それを基本として、勉強のしかたを見直してみてください。

勉強してわかるようになったか、つまり勉強の仕方が間違っていないかを確かめるためには、誰かに説明するという方法があります。保護者が聞き役になって理解できるまでお子さまの説明を聞いてあげてください。説明に詰まったら、そこがわからない箇所ですので勉強し直しましょう。

これに似た方法として、自分なりの参考書を作ってみるという勉強もあります。もちろん、教科書や市販の参考書を丸写しするのではなく、問題の解き方や考え方などを自分なりの言葉で書いてみるのです。時間がかかる方法ですが、ノートをまとめるのが好きなお子さまには特に向いているかもしれません。



【成績が伸びない原因3】基礎学力が不足している

 基礎学力が不足していたり、つまずいている箇所があったりして、どれだけ勉強しても理解できないケースもあります。例えば、1けたの計算がスムーズにできないのに、3けたの計算ができないのは当たり前です。

こうした原因の場合、解決がやや難しいのは、子どもは自分がどこがわからないのかを自覚しにくいことです。しかし放置すると、どんどんわからないことが増え、ばん回が困難になってしまいます。ほんの小さなつまずきが原因にもかかわらず、子どもが「算数は嫌いだ」「自分は勉強が苦手だ」などと思い込んでしまうのは、とてももったいないことです。保護者からも、「うちの子は算数ができない」といった相談を受けることがよくありますが、実際は「算数」ができないのではなく、ある特定の箇所が理解できないケースがほとんどです。子どもがつまずいている箇所を見つけるためには、テストなどで間違えた問題をもう一度解かせて、どこからわからなくなったかを指摘してあげましょう。また、問題を解く過程を言葉で説明させることでも特定できます。

弱点が見つかったら、前の学年の教科書や問題集などで復習しましょう。「カッコ悪い」などと感じて抵抗するお子さまもいるかもしれませんが、わからないことを放置するほうが問題であることを伝えてください。



【成績が伸びない原因4】集中力が散漫になっている

 「1時間も勉強した」とがんばった気になっていても、きちんと集中できていなければ、あまり意味はありません。勉強は、「時間」よりも「密度」が大切です。テレビが気になってダラダラと1時間勉強するのなら、10分間本気で集中したほうが実になるものは大きいでしょう。

集中力が途切れがちなお子さまにオススメするのは、タイマーをセットして勉強に取り組む方法です。私は授業でも取り入れていますが、「5分でやってみよう」などと時間を設定すると、集中力は格段にアップします。子どもにとって30分や1時間はとても長い時間に感じられて、なかなか集中が続かないのです。

家庭では、例えば、事前に3種類の勉強を用意しておいて、「5分×3」などと決めて取り組むといいでしょう。時間ではなく、あらかじめ「成果」を決めるのも集中力を高めるにはよい方法です。勉強のゴールを見せておくことで意欲を高めるのです。例えば、「この範囲の勉強が終わったら、お母さんが漢字クイズを出すね」と伝えておけば、「しっかりと覚えよう」という気持ちで勉強に取り組めます。



【成績が伸びない原因5】本を読まない

 読書をしないことが足を引っ張って成績が伸びない子どももいます。文章を読むことに慣れていないと、国語の学力が高まらないだけではなく、テストの問題文を読んでも頭の中でパッと理解できず、読み違えたり、いたずらに時間を浪費してしまったりします。逆に読書によって読解力や想像力が鍛えられた子どもの中には、あまり勉強をしないのに成績がそこそこよいというケースも見られます。

語彙を増やすという点では、マンガでもかまいません。わからない言葉が出てきたら、面倒でも辞書で調べることを習慣づけると、語彙力はどんどん増えていきます。
読書によって培われる想像力は、相手の気持ちを読み取る力につながり、コミュニケーション力の支えにもなると考えています。広い意味での学びの基礎になりますから、お子さまにはぜひ読書をすすめてください。

小学校の学習は、正しい勉強のしかたをすれば誰でもできる

 「勉強をしているのに成績が伸びない」という状態は、子どもにとって精神的なダメージが大きいものです。小学校の勉強は基礎ですから、理解のスピードに個人差はあるにしろ、基本的には正しい勉強のしかたをすれば、「誰でもできる」と考えて間違いではありません。わからない原因を取り除けばできるようになると信じて、親子でがんばってみてください。課題の克服を通して苦労や喜びを分かち合うことは、親子の信頼関係の向上にもつながるに違いありません。



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