【お子さまが算数の勉強を嫌がる…そんな保護者のかたに】算数が好きな子どもの親はこんなサポートをしている!


お子さまに算数をがんばってもらいたいけど、自分自身が不得意だったためサポートのしかたがわからない——。そんな保護者のかたは少なくないようです。どのような言葉や態度で支えてあげたら、子どもは算数を好きになってくれるのでしょうか。『算数ができる子の親がしていること』の著者である、幼児さんすう総合研究所代表の大迫ちあきさんにお話をうかがいました。



子どもは最初から算数が嫌いなわけではない

 算数(数学)に苦手意識をもっているお子さまは多いかもしれません。しかし、私が運営する算数教室に通うお子さまは、「算数は楽しい!」と口を揃えて話します。子どもにとって算数は、クイズやパズルのような「ゲーム」に近いものであり、最初から「難しい勉強」ではないのです。ところが、学年が上がるにつれて難易度が上がってつまずきやすくなり、嫌いな教科になってしまう子どももいます。

 

サッカーやバレーやピアノといった習い事でも、本当に上達したければ、辛い練習は欠かせません。それは、算数も一緒です。新しい問題を解けるようになるためには、一生懸命に勉強する必要があります。それでも、「好きこそ物の上手なれ」ということわざのとおり、算数が好きという気持ちさえ失わなければ、きっと乗り越えられます。保護者のかたは、「算数=難しい」「算数=特別なもの」という先入観をもたないようにしましょう。そして、お子さまが算数に対して好意的な感情をもてるように、フォローしてあげてください。

 

 

算数を勉強すると、どんな良いことがある?

 それでは、算数を勉強すると、どのような良いことがあるのでしょうか。算数や数学を通して身につく力は、大きく三つに分けられると考えています。

 

【論理的思考力】
文章題や証明問題を解くことで、筋道を立てて考える、仮説を考えて結果を導き出すといった、物事を論理的に思考する力が身につきます。

 

【コミュニケーション能力】
図や表を用いて自分の考えを相手に伝えたり、皆で話し合ったりすることで、人との関わり方が学べます。

 

【処理能力】
さまざまな情報やデータを分類して分析し、有用なものを適切に選択・活用する力が育ちます。

 

これらは、どれを取っても社会を生きていくうえで不可欠な力と言えるでしょう。
ひと昔前は、「文系だから数学は必要ない」といった言葉もよく聞かれました。しかし、現在は文理融合の時代であり、多くの仕事において文系・理系の両方の分野が混ざり合っています。グローバル化により英語の重要性が叫ばれていますが、それに負けないくらい、子どもの人生の可能性を広げてくれるのが算数という教科なのです。

 

 

算数の勉強を好きになるために…小1と小4の「壁」をいかに乗り越えるかがカギ

 算数は積み重ねの教科ですから、一つの単元がわからなっただけで、その後もズルズルと理解できなくなり、苦手教科となってしまいます。ですから、いかにつまずきを防ぐかがポイントとなります。

 

小学生のお子さまが算数につまずきやすい時期の一つは、小1です。幼児期には遊びながら数のお勉強をしていたのに、小学校に入るといきなり「3+2=5」など式だけになって、「おもしろくない」と感じやすいようです。

 

それでも、一桁の計算でつまずくケースは少ないですが、小1の2学期頃にくり上がりの計算に入ると、わからなくなる子どもが一気に増えます。一桁の計算は手の指を使って考えられますが、それ以上になると頭の中で計算する必要があるからです。「小1の壁」をクリアできるように、特に繰り上がりの計算が始まる時期は、お子さまの勉強をよくみてあげるようにしてください。「お母さんが(1~9の数字)を言ったら、合わせて10になる数字を答えてね」という「10の補数遊び」は、この時期の計算力を高めるのに有効です。

 

次に訪れるのは、「小4の壁」です。これは小4から内容が急に難しくなるのが原因です。計算では、小数や分数の計算が登場し、さらに図形の勉強が本格的に始まります。直方体や立方体、見取り図、展開図、垂直、並行といった言葉が次々と出てきて混乱しやすくなります。

 

小数や分数の計算は、ある程度、問題数をこなす必要がありますが、演習すれば必ずできるようになりますので、過度の心配は不要です。その際は、急いで答えを求めず、解答までの経過を大事にして考える力を育てるように心がけてください。

 

図形に関しては、幼い頃から積み木やパズルに親しむことで、感覚的にイメージする力が養われます。そうした感覚があまり育っておらず、空間把握力や図形認識力が不足しているお子さまは紙の上だけで解こうとせずに、積み木や模型など具体的な物を使って取り組むようにしましょう。次第に慣れて、頭の中でイメージできるようになるはずです。


【お子さまが算数好きになるサポート法 1】あの手この手で、算数の楽しさを伝えよう

 お子さまに算数を好きになってもらうためには、親子で一緒に楽しむことがいちばんです。低学年ならトランプや積み木、パズル、サイコロなど、算数の要素を含む遊びを楽しんでみましょう。また算数関連の知育玩具は、高学年でも十分に楽しめるものがいろいろとあります。小さいお子さまには、時計やカレンダーなど身のまわりの物を使って、数に対する意識づけをしてあげるのも良い方法です。

 

勉強を通して楽しさを実感させてあげることも大切です。算数の面白さの一つは、問題が解けたときに達成感が味わえることです。これは、クイズやパズルができたときの喜びに似ています。お子さまが問題を解いて、「できた!」「わかった!」と喜んでいるときは、「やったね」「すごいね」と、一緒に盛り上げてあげましょう。

 

知らなかったことを知ることは、子どもたちにとって楽しいことなのです。複雑な計算が解けるようになったり、2つの三角形をくっ付けると四角になることを知ったり、どんどん知識が広がっていきます。また問題によっては、解法が一つではなく、いろいろと工夫できることも算数のおもしろさといえます。お子さまの問題の解き方が効率の良いものでなかったとしても、「そういうやり方もあるね」と認めてあげるといいでしょう。

 

 

【お子さまが算数好きになるサポート法 2】急いで答えを教えず、子どもが考えるのを待とう

 算数の楽しさを味わうためには、しっかりと自分の頭で考えることが重要です。新しい法則や決まりを発見する体験をくり返すことで、考える力はどんどん育っていきます。算数は試行錯誤によって伸びていく教科なのです。大人にとって学習の目的は「結果」ですが、子どもの学習の目的は「過程」です。答えを教えるのではなく、考える力を育てることが大切なのです。

 

お子さまがなかなか答えにたどりつけずに悩んでいる姿を見ると、つい答えを教えたくなるかもしれません。しかし、それではお子さまは自分で考えたことにはなりません。親御さんは、グッとこらえて「待つこと」が大事と心得てください。子どもが考えているときには、話しかけないようにしましょう。

 

特に小さいお子さまほど、自分で考える習慣を身につけたい時期です。親御さんがすぐに答えを教えると、ちょっと難しくなったら「分からないから、教えて」と、自分で考えなくなってしまいますから注意してください。

 

 

【お子さまが算数好きになるサポート法 3】算数の勉強中は達成感を得やすくなるような工夫をしよう

 お子さまの算数の勉強をみてあげるときは、達成感が得やすくなるように工夫してあげましょう。例えば、子どもがゲーム好きなら、「レベル1はクリアしたから、次のレベルに挑戦ね」などと、ゲームっぽい用語を使って成長を感じさせてあげます。ちょっとしたことですが、それだけで算数の勉強が少し身近になります。

 

問題を解く時はまず、簡単なものから始めます。最初から難しい問題を与えるとやる気を失う恐れがありますし、「成功体験」を与えにくくなります。初期の学習で大切なのは、「嫌にならないこと」です。

 

最初のうちは、「自分はできる!」という半ば根拠のない自信を与えてあげることも大切です。これが、ひいては自分に対する自信となり、「やればできる」という思いが自己肯定感につながっていくのです。

 

問題集やドリルを購入する際は、保護者のかたはコストパフォーマンスを重視して、できるだけ一冊で済むように分厚いものを選んでしまいがちです。しかし、逆に薄っぺらくて、レベルごとに何冊にも分かれているほうが、自分の成長がわかりやすく、達成感を得やすくなります。

 

 

【お子さまが算数好きになるサポート法 4】失敗や間違いを恐れない「心」を育てよう

 これはどの教科にも共通しますが、「心」を育てることは、算数の学力を伸ばすためにも不可欠です。最近の子どもを見ていると、失敗やまちがいをとても恐れている姿に気づくことがあります。「失敗するとしかられる」「失敗は悪いことだ」といった不安を感じてしまうようです。

 

教室に通う保護者のかたがたとお話していると、ほめるためのハードルが高過ぎると感じることがよくあります。例えば、テストで90点を取っているのに、ほめないばかりか、「どうして、あと10点が取れなかったの?」と詰問してしまうという保護者がいます。「もう少しで満点だったのに……」という悔しい気持ちはわかりますし、まちがいを振り返ることも大切ですが、まずがんばったことを十分にほめることが先決です。子どもは、親が思っている以上に、親の評価を気にするものです。「良い点数ではなければしかられる」「がんばっても認めてくれない」と感じさせてしまうと、失敗やまちがいを恐れて、簡単なことしかやらなかったり、難しい問題にチャレンジしたりしないようになります。失敗するからこそ、成功につなげることができるのです。失敗やまちがいを避けるのではなく、失敗に負けない強い心を育て、それを乗り越えられるようにお子さまを導いてあげてください。

 

ランニングパークから引用

中学受験 偏差値
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